これはほんの数時間前、夕飯の準備をしていた時のことなんですけどね。
下ごしらえとして材料を切っていたんです。
ズッキーニ、ってご存知ですか?
この野菜、きゅうりのように見えるんですけども、実はかぼちゃの仲間らしいんですよ。
意外ですよねぇ、言われてみればそう見えなくもない。
私の親戚が農家でズッキーニもやってまして、せっかくだからズッキーニを使った料理を作ろうと思ったんです。
包丁で、縦に横に、もう一つ切って、さいの目切りにしよう。
早速、縦に包丁を入れてみると、スーッと簡単に切れた。
キュウリみたいな見た目でカボチャの仲間ならもっと硬そうなのに、軽く切れちゃったんです。
ナスを切るように、抵抗なくスーッと。
ところが、何か手に変な感触があった。
ヌル、ヌル、ヌル。
確かめてみるとね、指が妙にヌルヌルしていた。
どうやらね、切ったズッキーニの断面からヌルヌルが出てきていたみたい。
おかしいなぁ、と思ったけど、キュウリじゃなくてカボチャの仲間なら普通なんだろう、と。
包丁で切り続ける。
スッ、スッ、スッ。
ヌル、ヌル、ヌル。
「本当に大丈夫なのかなぁ」「包丁が滑ったら怖いなぁ」と思いながら、なんとか全部切り終わる。
気持ち悪いし、ヌルヌルした手を、早速ジャブジャブと洗ったんですね。
台所用ハンドソープも使って、念入りに泡立てて、流す。
するとね。
ヌル、ヌル、ヌル。
入念に泡立てて洗ったはずなのに、なぜかまだヌルヌルが残っている。
おかしいなぁ、変だなぁ。
と思いながらも、「もしかしたら洗い流し足りなかったのかもしれない」ともう一度ハンドソープを使って泡だて、流す。
ヌル、ヌル、ヌル。
どれだけ水で流しても、洗う前とほとんど変わらない。
まるで、指から出てきているみたいに、ずっとヌルヌルしている。
いや、むしろヌルヌルと一緒に指の表面が流れているような感覚。
ヌルヌルヌル、ヒリヒリヒリ。
「さすがにこれはおかしい」と思って、一旦洗うのをやめて、手を拭いて指を見る。
するとね、なんだか皮がむけたみたいに、表面がボロボロになっているように見えるんですね。
その瞬間、本能的にいや〜な想像をね、したんです。
「今まで一生懸命流していたヌルヌルは、実は溶けた指の皮だったんじゃないか!」
思ったと同時に、指の腹の感覚が鈍くなって、その代りに妙に突っ張り始めたんですね。
そこからはもう大慌てで。
別のハンドソープを使ってまた洗ってみる。
ヌルヌルヌルヌルヌル、ヒリヒリヒリヒリヒリ。
水気を拭いて、また見てみる。
どう見ても表面がボロボロに見える。
乾いていくにつれ、表面の感覚が鈍くなって突っ張る。
自分の指じゃないみたいに、ボロボロテカテカしている。
「ああ、このまま皮膚が流れていくのかな、救急車かな」と、どこか実感がわかないままぼんやり考え始めまして。
ただ、この時代ですから。
一応インターネットで似たようなことがないか、調べた。
“ズッキーニ 指”で検索。
するとね、出てくるんですよ。
同じような体験をした人のブログや質問が、予想以上にワラワラと。
どうやらね、“ズッキーニ自体のヌルヌル成分が非常に落ちにくい”というのが原因だったようで。
それを見つけてからは、もう仕事と趣味以外では見せない俊敏さで、ネット情報にあった“酢”を取り出して指を洗ったんです。
この酢が古いせいか、なかなか効果が出ない。
酢の匂いと、指先のヒリヒリが感覚を支配するんじゃないか、と思った頃。
とりあえず水で流してみたら、全部じゃないものの、ボロボロテカテカしていた部分が剥がれている。
その下からは、ちゃんと見慣れた指紋が顔を出した。
ようやく一息つけた。
あのボロボロテカテカは、ヌルヌルが乾いたものだった。
だから突っ張ったんですね。
ムキになってゴシゴシ擦ったせいで、ヒリヒリもした。
「これからズッキーニを切る時は、絶対に手袋をしよう」とね、思ったわけです。
切ったズッキーニはレトルトのミートソースに加えてスパゲッティと和えて美味しくいただきましたよ。
今日のまとめ
ズッキーニを切るときは
ヌルヌルが指につかないように
手袋をするといいんだな
はぎを
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